第38回研究会(2024年1月22日)

第38回研究会を開催しました。

日時:2024年1月22日(月)19:30-21:00

開催方式:オンライン開催

報告者:小田智敏

タイトル:物質と希望ーーエルンスト・ブロッホ『唯物論問題』を読む

【報告要旨】

 食糧から社会組織にいたるまで、わたしたちがモノを作るとき、物質は人間の実践を妨げ立ち塞がるものとして現れる。人間も自然物も同じ物質には違いないが、人間が物質の抵抗にあうような実践を行う点で、人間物質と世界物質とは種を異にするとブロッホは考える。今は乖離している人間物質と世界物質の二系列が最終的に調和にいたるのかどうかは純理論的問題ではなく、人間の集団的実践においてこそ決着がつけられる。ブロッホにとって唯物論とは、人間のそうした実践が成功するという希望を基礎づける世界概念なのである。

日本エルンスト・ブロッホ研究会

Japanische Assoziation für Ernst Bloch Studien

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